裂肛(きれ痔)とは、便秘の時などに硬い便が肛門を無理に通過することで肛門管の上皮が切れたり裂けたりした傷のことです。下痢の時にも肛門に強い負担がかかって裂肛(れっこう)になることがあります。痔核や痔瘻と違って、20代の女性に多くみられています。 原因は便秘や下痢などの排便異常や肛門が狭くなることなどです。特殊なケースとしては、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や肛門を使った性行為などが原因の場合もあります。
裂肛は浅い傷の場合は自然に治ることもありますが、便秘症があり硬い排便を繰り返した場合や、肛門が狭くなる症状がある場合は、傷がなかなか治癒しません。その場合は裂肛を繰り返して肛門がますます狭くなり悪化し、排便痛への恐怖感でトイレを我慢するようになることで、さらに便が硬くなるという悪循環をきたします。
悪循環になって裂肛が慢性化してしまった場合は、近くに肛門ポリープやイボを伴うこともあり、手術による治療が必要となります。(図を参照) さらに長年にわたって慢性裂肛を放置しておくと重症化して、下剤を内服することで意識的に下痢状態にしないと排便が困難になってきます。
裂肛の治療は、基本的には薬物療法です。 例として、酸化マグネシウム・ヘモナーゼ・サーカネッテン・ボラザG軟膏・ネリプロクト軟膏・強力ポステリザン軟膏が挙げられます。他にも保険適用ではありませんが、ニトログリセリン軟膏やボツリヌス毒素注入法などもあります。しかし、いずれも効果や副作用の面から一般的ではありません。
ニトログリセリンには内肛門括約筋の緊張を和らげる作用があることから、慢性化した裂肛に有効なものとして使用されています。しかし、実際には約半数の方に強い頭痛の症状がでるという副作用があるため、現在ではほとんど使用されなくなっています。 ボツリヌス毒素は筋肉の不全麻痺を起こす効果があるため、注射することで内外肛門括約筋の緊張を和らげるという治療です。しかし、日本では毒素を注入すること自体に抵抗があるため、ほぼ行われていません。
肥大乳頭・肛門ポリープや見張りイボを伴う場合(慢性裂肛)、薬物療法だけでは不十分なことも多く、完治のためには手術の必要があります。肛門の狭くなる度合いが重度な場合は、手術でしか根治できません。 繰り返される慢性的な裂肛に対して行う手術
きれ痔でお悩みの方はぜひご相談ください。 ららぽーと横浜クリニックでは、肛門科の診療を行っており、切れ痔(裂肛)のお悩みにも対応しております。 切れ痔は基本的に薬物療法で治療を行っていきます。 薬物療法だけでは不十分な際は手術を行いますが、専門医がきちんとご説明をいたしますのでご安心ください。 当院では、肛門疾患全ての手術を日帰りにて行っております。 入院いらずのスピーディ治療で安心です。 肛門科の検査・治療・手術のことなら、お気軽にご相談くださいませ。
若い女性に多いのが特徴
症状は排便時や排便後の痛みと出血です。肛門管には多くの神経が分布しており、痛みに敏感な場所です。そのため、裂肛がある人は排便時に激痛が起こります。裂肛が慢性化した場合や重症の場合では、排便後もズキズキと痛みが続きます。
裂ける部位は、ほとんどが肛門の後方(背中側)で、次に多いのが前方(腹部側)です。(図を参照)
クローン病などが原因の特殊な裂肛は、後方や前方以外の場所にできることが多い。
こうなると手術自体が非常に難しくなってきます。
裂肛治療の基本は薬物療法
初期の急性裂肛では、ほとんどの場合、内服薬(緩下薬・血行改善薬・抗炎症薬)と軟膏・座剤などの外用薬だけで良くなります。ニトログリセリン軟膏療法
ボツリヌス毒素注入療法
慢性化した裂肛や肛門狭窄があれば手術が有効
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