みなさんこんにちは。横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
突然ですが、『鎖肛』という言葉を聞いたことがありますか?
初めて聞くと鎖国のように、肛門が閉じているのかな?ということくらいしか想像ができないのではないでしょうか?
今回は『鎖肛』について詳しくお話したいと思います。
肛門や泌尿器に異常がある病気のことで、「肛門閉鎖」ともいいます。
文字通り、肛門が生まれつきうまく作られなかった病気で、おしりに肛門が開いていないものから、小さな穴(瘻孔)がみられるもの、肛門の位置がずれているものまでさまざまです。
消化管の先天性の病気では最も多い物とされています。
多くは生まれた時に診断され、生まれた時に直腸に体温計を入れる時に肛門がなく、診断される…といったこともあります。
原因はいまだはっきりとはわかっていません。
肛門は妊娠6週前後でお母さんのおなかの中で徐々に作られていきますが、その発達過程で何らかの異常が起こり鎖肛となるとされています。
その数はおよそ5000人に1人の割合と言われており、少ない数ではないことがわかります。
つまり鎖肛とは、誰にでも起こりうる可能性があるということです。
鎖肛の症状を詳しく見ていきましょう。
・生まれたときに肛門がなく、つるんとしている
・直腸が浅い、または狭窄している
・おなかの張りが強い
・嘔吐
・尿に便が混じる
・膣から便が出る
・便が細い
肛門がなく便が出ない、または肛門が狭いために上記のような症状が出てきます。
肛門が見えなければ生まれてすぐにわかりますが、便が出ていると肛門狭窄は気づきにくいこともあり、成長途中で気づくこともあるのです。
では実際にどのように診断するのでしょうか…
診断方法で、高位型・中間位型・低位型と紹介しましたが、型によって治療方法が異なります。
手術にて最終的に肛門形成まではできますが、特に高位型・中間位型は肛門形成後も、自然排便のリハビリが必要とされています。
主に便失禁や、極度の便秘などが起こることが多く、リハビリには長い時間がかかるのです。
肛門は自分ではよく見ることが出来ませんし、人間の体の中では汚い・恥ずかしい部分だと思っている人も多いと思います。
ですが、生まれながらに肛門がない、肛門が狭いなどして上手く排便できずに、とても大変な思いをしている方たちがいるのも事実です。
肛門は食べた物が消化管を通って体の外に出る最後の部分であり、便を外に出すという非常に大切な働きをもっています。
このブログで肛門がどれだけ大切で必要なものなのかということが少しでもお分かりいただけたでしょうか。
当院にも『肛門科』があります。来院するのは少し恥ずかしい…と思う方もいるかもしれません。
ですが、肛門も私たちの顔と同じくらい大切な体の一部です!!
肛門が痛い、かゆい、小さいことでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談くださいね。