“セトン法”という言葉を耳にしたことがありますか?
もしかすると一度肛門科を受診したことのある方やこれまでに痔の手術の経験がある方にとっては聞き覚えのある言葉かもしれませんね。今回は、この“セトン法”が一体どんな手術法なのかお話させていただきたいと思います!
★痔ろうって?
セトン法の説明をする前に・・・まずは何故痔ろうが起きてしまうのか?
このことについて簡単にお話させて頂きます。痔ろうは痔の中でも最も厄介でひどいものと言われています。原因としては下痢などで肛門のくぼみに細菌が入り込み炎症を起こし、肛門周囲膿瘍となった後に肛門周囲に排膿することで瘻管が生じ痔ろうとなります。また一度できてしまった瘻管が自然に閉鎖することなく、完治のためには手術が必要となります。この“痔ろう”の治療法としてセトン法が用いられている訳です。
(参照)痔ろうとは
★セトン法とは
セトン法は特殊なゴムを使用して痔ろう患部を取り除き、ゆっくりと日にちをかけて少しずつ切っていくという手術です。
(こちらも参照)痔ろう(あな痔)の治療・日帰り手術
○セトン法の長所
*痔ろうの再発の可能性が低い。
*肛門が緩くならずに悪い患部を取り除くことができる。
*肛門周囲の筋肉が少しずつ切れたところから再生されていく為、肛門の機能が損なわれない。
完治するまでに1-2ヶ月かかるという短所もありますが、上に挙げたような長所と比較するといかに安全で画期的な術法であるかということがお分かりだと思います。
いかがですか?
手術と聞くと少し怖い気もするとは思いますが、痔ろうは放っておいても自然治癒することは決してないので我慢せずに受診してくださいね。