ふとお尻を触った時に、「ぽつっ」とした膨らみ、「私、もしかして痔…?」そう思ったことのある方は意外に多いのかもしれません。
ご自身で感じているそれは、「皮垂」と呼ばれるものかもしれません。
皮垂は皮膚のたるみです。血栓性外痔核(皮膚の中に血の塊を形成してできる急性のいぼ痔)が治ってしぼんだあとや、裂肛に伴う見張りイボの腫れが引いたあとにできてしまうことが多いです。
さて、この皮垂には手術が必要なのでしょうか?
先述どおり、皮膚のたるみですからすぐに切除する必要はありません。ですが、気になってしまってしょうがないようであれば切除するという選択肢もありえます。皮垂が原因で悪さ(痛みや腫れやかゆみ)をしなければ経過観察でもよいでしょう。
肛門は日々排便時に使う部分です。排便のために肛門が伸びたり縮んだりするのには、ある程度のたるみ、しわは自然なことなのです。
切除でなくしてしまうことは簡単ですが、あまりに小さいものは切除しても術後の腫れで同じようなふくらみができてしまい、結果として同じことかもしれません。
ただ、皮垂と思っていたら実は立派ないぼ痔であったり、何か皮膚のできものかもしれません。「最近サイズアップした気がする…」など気になることがあれば、自己判断せずに専門の病院にかかることをお勧めします。