先日、肛門疾患の古典的治療を勉強する機会がありました。
それはもう、江戸時代から続くような治療法も含めて勉強することになりましたが、その内容には驚きの一言でした。どんな点が「驚き」だったか、書きましょう。
①全ての痔に対して根元を結紮することで(腐らせて)治療している!
それをやると、術後の痛みがひどいと思います(だって体の一部が腐るのですよ)。
そこで現代の医療では、痔の場所を考慮して、腐らせても痛みが出ない場所のものに対してのみ結紮が行われます。昔の人は我慢強かったのですね・・・
②局所麻酔にキニーネという劇物を使用している!
この「キニーネ」に比較的長期の鎮痛作用があると解説されていました。
本来はマラリアの治療薬として知られている「キニーネ」にどこまで期待していいのでしょうか。
・・・使用した経験のない私にはわかりません。
③止血には「鉄ミョウバンガーゼ」を使う!
完全に民間療法です。止血作用は鉄ミョウバンにはありません。
・・・私事、民間療法といえば、恥ずかしながら、幼少時に酔い止めとして、おへそに梅干を貼り付けた経験があります。
④現在でも「古典的治療」を行っている医療機関がある!
しかも一回の治療費は云十万円・・・
いやはや・・・医療が進歩しているのを実感したと同時に、限られた材料で行う昔の治療もなかなかやるな、と感じた次第です。もしかすると、痔に限らず様々な病気について、古典的治療が日本のどこかでいまだに行われているのかもしれません。(しかも、そこそこの治療成績を上げていたりして・・・)