こんにちは、横浜市肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。さて、今回は肛門癌についての記事です。
大腸や胃、肺などなど…癌が出来ることは皆さんご存知だと思いますが、実は肛門にも癌ができるんです。詳しくご紹介しましょう。
肛門癌は非常に珍しく、「痔」と間違えやすい癌です。
肛門の長さ(肛門管)は日本人では平均、男性3.2cm、女性2.9cmといわれています。この肛門管を中心に発生する癌を肛門管癌といい、肛門周辺の組織に発生するものも含めて、肛門癌と総称しています。
癌の発育形式は、肛門管のなかから発生した管内型と、肛門管の外から発生した管外型に分類され、一般的には60~70歳に最も多く発生すると言われています。性別で見ると肛門管の上部にできる癌は比較的女性に多く、肛門縁にできる癌は男性に多いです。
組織型からみると、肛門癌の大部分は扁平上皮癌です。肛門上皮は、ほかの体の皮膚と同じように、『偏平上皮組織(皮膚や口腔、食道、血管の内皮などに存在し、栄養分の交換や保護をおこなう組織)』によって覆われています。
そのため、肛門癌は、消化器癌(胃・大腸など)というより皮膚癌(メラノーマなど)に近い癌です。
では、どんなことが原因で肛門に癌が出来るのでしょうか…
肛門癌が発症する原因はまだ解明されていませんが、一部の肛門上皮内癌や扁平上皮癌は、ヒトパピローマウイルスの感染と関連して発症することが知られています。 なかでもHIV陽性者や男性の同性愛者は、発症のリスクが大きいとされています。
その他にも、年齢が50歳以上・肛門に黒子やイボがある、子宮頸部や膀胱等の癌に対する放射線治療を受けたことのある人、喫煙している人…も肛門癌になるリスクが高くなると言われています。
また「痔」にも関係しており、尖圭コンジローマや、複雑痔瘻の一部は肛門癌になる可能性があります。一方、肛門ポリープや切れ痔は癌化することはありません。
次に症状を見ていきましょう。
初期症状
・排便時の出血
・痛み
・かゆみなど
進行すると
・肛門周辺のしこり
・痒みの継続
・膿や粘液の分泌
・便が細くなるなどの便通異常
上記のような症状がみられず、鼠径部のリンパが腫れる場合もあります。
気になる症状はありましたか?
肛門癌は痔と間違えやすく、非常に珍しい病気ではあります。
ヒトパピローマウイルスの感染と関連して発症することが知られており、なかでもHIV陽性者や男性の同性愛者は、発症のリスクが大きいとされています。
病気の内容について知れたところで、今回のブログではここまでです!
次回は肛門癌に関する検査・診断方法・予防法をご紹介します。