皆さん、こんにちは。横浜市の胃腸肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
タイトルがちょっと衝撃的だったかもしれません。お尻にカビ…と聞くとなんだかムズムズしてきますね…(笑)
皆さんは「カンジダ」という言葉を耳にしたことはありますか?
女性は「聞いたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。というのも、カンジダは性器や膣に感染することが多いものなのです…が、実は肛門にも感染するんですよ。
今回は「肛門カンジダ症」についてお話ししましょう。
カンジダとはカビ(酵母カビ)の一種で、健康な人でも皮膚や消化管内に持っている常在菌です。
カンジダの現れる場所から、よく性感染症と間違う方がいらっしゃいますが、風邪や、ストレス、寝不足、疲労などで体力が落ちた時にカンジダが異常増殖することで症状がでます。つまり、誰でも発症するリスクがある。ということですね。
中でも風邪、膀胱炎、淋菌、クラミジアの治療で抗生物質を服用した後に感染することが多く、膣カンジダ症であれば女性は5人に1人の割合とも言われているので、圧倒的に女性に多い病気です。
では、カンジダについて説明をしたところで、今回のメイン「肛門カンジダ症」とは具体的にどんな病気なのでしょうか。
先述通り、膣や性器に感染することが多いカンジダですが、肛門周囲にも増殖することがあります。これを肛門カンジダ症と呼びます。
原因はストレス等による疲労などで免疫力が落ちているときはもちろん、肛門周囲を不潔にしていることでも、カンジダ菌が肛門周囲に繁殖してしまうことがあります。
カンジダが「カビ」の一種というところで想像できると思うのですが、高温多湿な場所が大好きです。排便をするところですから不潔になりやすく、下着の中で蒸れて湿りがちな肛門はカンジダが発生しやすいんですよ。
プツプツとした赤い湿疹ができ、肛門周囲全体が赤くかぶれた状態になります。それに伴い痒みもひどくなります。特徴の一つに慢性化してなかなか直りにくいということも挙げられます。菌は湿った下着で繁殖しやすくなるため、汗をかく暑い時期になると悪化してしまう傾向があります。
一般的な湿疹であればステロイド軟膏で治療しますが、カンジダが原因の場合は、ステロイドは逆効果になり悪化させてしまいます。
そのため、カンジダ症の治療には水虫などに使用する抗真菌剤を使用します。
痒くて眠れない場合は、就寝中に無意識に掻いて症状を悪化させないために、寝る前に眠くなる作用があるような薬剤を使用する場合もあります。
いかがでしたか?
肛門カンジダ症は肛門掻痒症のブログ記事でも紹介した、痒みが原因の病気がいくつもある中での一つですが、カンジダ菌がいるかいないかで治療方法は違ってくることがお分かりいただけたでしょうか?。
カンジダは、一般的な皮膚炎による痒みと治療に使う薬が異なりますので、自己判断で薬を使用すると悪化する可能性もあります。
特に、これからの暑い季節は蒸れてカンジダ菌が繁殖しやすくなり、悪化する傾向にありますので注意が必要です。治療をするときは、肛門科のある病院を受診し原因を突き止めてから治療を行いましょう。
痒みの原因は肛門皮膚炎だけじゃない!?
肛門の痒みは立派な”病気”!?