こんにちは、ららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは「肛門ブジー」という言葉を耳にしたことがありますか?
肛門科で用いられる何かだということは想像できるかと思います。
「肛門ブジー」は肛門科で使われる器具の一種です。
どんな時に使用されるのかを今回は書きます。
「ブジー」という言葉はあまり耳にしないのではないでしょうか。元々は英語で、Bougieと書きます。日本語では消息子(しょうそくし)と書きますが、こんな言葉は現代では医療界でもほとんど使われません。
「ブジー」と呼ばれる器具は肛門科に限らず、外科や泌尿器科などでも使用されており、一般的には主に体内(尿道など)に挿入し、管内を広げたり、診察するのに用います。
この説明で肛門ブジーがどのように使われるのかを、なんとなく想像ができるかしれません。
これが肛門ブジーです。
こちらは、ららぽーと横浜クリニックで実際に使用している器具ですが、良く見ると1本1本太さが違うことが分かると思います。
俗に言われる「切れ痔」(裂肛)の患者さんの中には、傷口が治っては切れを繰り返すことで、肛門の筋肉が過緊張を起こし、肛門自体が狭窄してしまう(肛門が狭くなり、細かい便しか出せなくなる)方がいらっしゃいます。そんなときに、この「肛門ブジー」を肛門から挿入し、一定時間(10-15分)留置することで筋肉を慣らし、拡張していくのです。
この処置は段階的に行っていくもので、初めのうちは細めの4号、次に5号、最終的には太い8号を……というように、患者さんの肛門の狭窄具合に合わせて少しずつ拡張させていきます。
肛門狭窄が重症な症例では、狭窄解除の手術が適用となるため、実はこの「肛門ブジー」を受ける患者さんはさほど多くはいませんが、これはこれで手術をせずに肛門狭窄症状をある程度は改善させられる有用な手段なんですよ。
いかがでしたか?
狭くなってしまった肛門の治療法に、手術以外の方法があったとご存じでしたか?
定期的に「肛門ブジー」を使った診察・治療を受ける事で、硬くなった肛門括約筋を柔らかくし、開閉を比較的楽に行なうことが出来るようになります。
肛門狭窄の病状の種類(筋肉の過緊張・瘢痕狭窄・術後・悪性)や程度は人によって異なるため、どのような処置を行うべきかを判断するのは専門医の役割です。
「手術が怖いから」などと一人で悩まずに、まずは肛門科を受診し、医師にご相談ください。
裂肛・肛門狭窄に対する手術:LSIS
切れ痔(裂肛)を改善させる生活習慣について